日時:2013年11月27日(水)〜2013年11月29日(金)

場所:物性研究所本館6階 大講義室(A632)

世話人:
有馬孝尚(東京大学大学院新領域創成科学研究科), 播磨尚朝(神戸大学大学院理学研究科), 広井善二(東京大学物性研究所), 中辻 知(東京大学物性研究所)


対称性は物性を議論する上で根幹を成す基本的な概念である。近年見出されている非従来型の超伝導、マルチフェロイック、スピンホール効果などの興味深い現象は、空間反転対称性の破れと密接な関係にある。これらの現象には、結晶構造のグローバルな反転対称性の破れによって生じる反対称スピン軌道相互作用が重要な役割を果たしていると考えられる。しかし、反対称スピン軌道相互作用が現れるための条件は、奇パリティの結晶場とスピン軌道相互作用であり、結晶構造自体の反転対称性の破れは必ずしも必要ではない。すなわち、ジグザグ、ハニカム、ダイヤモンドなどの格子構造を持つ系では、局所的なパリティ混成と強いスピン軌道相互作用を通した面白い量子物性が期待される。特に、強い電子相関のもとでは、反転対称性の自発的な破れや強い揺らぎによって、エキゾチック超伝導、量子伝導やマルチフェロイック、非線形応答などにおいて興味深い物性が現れる可能性が高い。また、局所的に空間反転対称性が破れたサイトでは、磁気四極子や電気八極子などの奇パリティ多極子が現れうることから、これらの秩序や揺らぎ、遍歴電子との結合が物性に及ぼす影響も注目される。

本短期研究会「強相関電子系における局所対称性の破れと量子物性」は,局所対称性の破れに基づく波動関数のパリティ混成という基本的な概念を通して、反転対称性の破れや多極子の物理を俯瞰的・包括的な視点から議論し、新しい強相関物質科学の萌芽と飛躍的な発展を促すことを目的とする。p, d, f電子系物質に関する多岐にわたる研究分野に属する研究者が一堂に会し、共通の問題意識や近い将来期待する新展開などを具体的に議論することに重点をおく。特に局所的なパリティ混成から期待される奇パリティ多極子や非従来型超伝導などに関連した新現象やマルチフェロイック、量子伝導や光学応答といった各研究分野で今後期待される新しい物性の提起を目指す。


レビュー講演講演者(五十音順, 敬称略):

有馬孝尚 (東大新領域), 倉本義夫 (東北大理), 播磨尚朝 (神戸大理),
三宅和正 (豊田理研).

講演者リスト(五十音順, 敬称略):

青木 大 (東北大金研), 青木勇二 (首都大), 網塚 浩 (北大理),
井澤公一 (東工大理), 石田憲二 (京大理), 石渡晋太郎 (東大工),
大串研也 (東大物性研), 鬼丸孝博 (広大先端物質), 小野瀬佳文 (東大総合),
勝藤拓郎 (早大理工), 岸根順一郎 (放送大学), 貴田徳明 (東大新領域),
北野晴久 (青山学院大理工), 木村 剛 (阪大基礎工), 楠瀬博明 (愛媛大理),
寺嶋太一 (物材機構), 榊原俊郎 (東大物性研), 関根ちひろ (室蘭工大),
高木紀明 (東大新領域), 藤 秀樹 (神戸大理), 中辻 知 (東大物性研),
野原 実 (岡山大理), 町田 洋 (東工大理), 松林和幸 (東大物性研),
松村 武 (広大先端物質), 求 幸年 (東大工), 柳瀬陽一 (新潟大理).

プログラム

こちらをご覧ください(11/12改訂版)


問い合わせ先

広井善二 hiroi_at_issp.u-tokyo.ac.jp,
中辻 知 satoru_at_issp.u-tokyo.ac.jp
(_at_を@に変更してください)


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